〜レメイン村 ギルド付近〜
マルタは狂気沙汰な顔をしてエミルに襲いかかってくる。
エミルはその攻撃を全て防いでるが、攻撃はしていない。
「マルタ!!いったい何が起こってるの!?」
マルタに問いかけたが、
聞こえないのか返事は返ってこない
やめずにエミルを攻撃している
エミルが後ずさりしているときに、変な線がひかれてあった。
それに気付かないエミルは、その線を踏んでしまった。
「!!」
その瞬間、エミルはかなりの量の血を吐いた。
体の内部からどんどん生命力が吸い取られるのがわかる。
「グオ!!グォオオ!!おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
その光景を見て、マルタは我に返ったのか、スピアーを落とした。
「エミル!!!」
今度は目からも血がでてきた。その血は止まない。
〜レメイン村 入口付近〜
エドは、入口付近にあった線らしきものに目をやった
その線には、直覚が交わっていた。
「これは・・・・・・・!」
まぎれもなく人体錬成の陣だった。
村の6か所から雷らしきなものが落ちてきたのがわかった。
大きな錬成音が村中に響いた。
「鋼の!!これはいったい何だというのだ!!」
「大佐!!これを見てくれ!!」
大佐は、その直覚と交わった線をみて、驚愕した。
「これは・・・・・・・まさか・・・・・!!」
「大佐はこの直覚の右側を調べてくれ!!俺は左を調べる!」
エドが大佐にそう指示すると、なんの慎重もなしに走った。
線をたどっていくと、やはりまぎれもなく人体錬成の陣だった。
「どうなってんだこりゃあ・・・・・」
エドは、その線をたどっていくと、驚くものを見つけた
「エミル・・・・・・?」
エミルが血だらけになって倒れているのである。
近くに、頭の左右に大きい造花を飾り、髪は茶髪の少女がいた。
「おい!!どうなってんだよ!なあ!!」
肩を揺さぶっても、少女は目を見開いたまま、充血していて、放心状態だった。
「傑作だろ?」
聞き覚えのある声が聞こえた。
エドは、その声の主の方へ振り向いた。
「エンヴィー・・・!!」
エドはその声の持ち主を睨みつけた
「やっぱりてめえか!!」
エンヴィーはほくそ笑んでいた。
「さあねー。僕はこんな世界どーっでもいいし。それにこの惨劇を起こしたのはこの顔だぜ?」
エンヴィーの顔が、エミル・キャスタニエの顔になった。
「ぜ――ンぶやったのはこの顔。だからこの僕の顔は全然かんけー無いの
まあこういうことを濡れ衣をかぶせるっていうんだっけ?」
エンヴィーは笑いながら話している。
マルタは、そのエミルの顔を見た。全てを理解した。
この血まみれで私に会ってきたエミルは、全然悪くなかった
頭の中が真っ赤になった
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
マルタはスピアーを拾い上げ、刃をセットし、その偽物のエミルに襲いかかった。
地面から急に突起が生えてきて、その突起がマルタの腹部に命中した。
勢い余って、がれきの壁にぶつかった
エンヴィーの後ろの瓦礫の後ろには人間らしきものが居た。そのらしきものは、右手が化け物のような代物で、
マフラーの端からは火が出ていて、かなり人間離れしている化け物だった。
「よう。ありがとさん。」
エンヴィーがそいつにお礼を言うと、そいつは手を下ろした。
そいつの首根には、よく見ると大きな赤い石が埋め込まれていた
「賢者の石・・・・・・・・・!!」
まぎれもなく、それは本物だった。
あの偽物の石とは全く比べ物にならないものだった、
「この村の奴ら全員、賢者の石にしやがったな!!」
エドは、憤怒をエンヴィーにぶつけた
「いいじゃん別に。こいつら居なくなってもおれらになんの損もメリットも糞もない」
相変わらず機嫌よく喋り続けていた
「返してよ・・・・・・・・・・」
「はあ?」
「エミルを返してよ!!!!!!!」
マルタは、今のエドワードとは比べ物にならないくらい憤怒を持っていたが、
骨をやられたのか、全く動けないでいた。
「お前が殺したんじゃん?」
冷たく返事されたことで、マルタはついに泣き叫んでしまった。
「あああああ!やっぱりガキはうるせ――――な!!!!やっぱこの場で殺しとくか。おいゲーデ」
人間らしきものは、再び手を挙げた
「殺れ」
エンヴィーがそう軽く言うと化け物の手から光が放たれ、その光は広がっていった
「ゴットプレス」